生理の貧困
コロナになってからなぜか聞くようになった気がする。
私は幸いこれに悩んだことはないなと思っていたけど、そうでもなかった。
一聴するとただ単に「ナプキンが買えない」というだけに聞こえるからだ。
でもこの「貧困」には知識も含まれる。
確かに、日本の生理に関する知識って薄い気がする。
男性が知らないのが当たり前ってのはやっぱり知識の貧困だと思う。
学生の頃の私はとにかく腹痛が激しかった。
薬を飲んでも辛い。ピークになるときは起き上がれないくらい痛かった。吐き気もあったしね。
そんなんで、一か月に一回は学校を休む。
休日にこのピークがあっていれば休むことはなかったけど、まあ、月一は休んでいた。
学校からは特に何も言われなかったから、保険医に相談なんかもしなかったし、母親は生理痛がひどいことを知っていたので、休んでも特に何も言われなかった。
当時友達だった子に月一で休む理由を何となく聞かれて、生理痛がひどくて起き上がれないんだよねと話したら、「そんなことあるわけないじゃん。薬飲めばいいじゃん」と言われた。ものすごく軽く。
薬を飲んでも一時的なもので、学校にいる間苦しみながら授業を受けるなんて無理。話を聞く余裕もないし、そもそも寝ていたい。
同じ女性でもそこに個人差があるということがわからないのだ。
誰も教えてくれないから。
親子間でもそういう話をしないことが多いだろうし、そもそも親も軽ければわからないだろうしね。
ここまでは特に何も言われなかったのだが、一つ避けて通れないものがあった。
就職である。
月一、ひどいと二日は休んでいるので、出席日数というのが悪いのである。
就職の面接で休みが多いねと言われて、素直に「生理痛がひどいので」と答えた。女性ばっかりの職場だったので、「そっか、大変だね」くらいで流してくれた。
流してくれなかったのは学校の先生である。
その会社に就職が決まって、その時に面接した人と話をしたのだろう。
「休みは生理のせいにしたのか。うまいこと言ったな」と言われた。
まあ、男の先生だったし、悪気はなかったのかもしれないけど、わざわざその話する?って思った。就職決まったねおめでとうだけでいいはずだ。
生理痛が重いことを学校が把握してたら「生理のせいに」とは言われなかったのか。
でも、相談できるような環境はなにもなかった。
私が社会人になってからPMSという症状があるんだよいうのが言われ始めた。
それでも社会人になって、5年以上過ぎてからだから、知らない人はたくさんいた。
多分今でも知らない人は多いと思う。
悩んでない人は関係ないから調べないし、自分から調べないと得られない知識だから、男性なんか絶対に知らないだろうなと思う。
こういうことをもっと性教育の一環で教えてほしい。
生理の話は小学5年生の時に女の子だけ集めてあったと記憶している。
詳しい内容は忘れたけど、子供を作る準備のためになる女の子の体の仕組みだ。
女の子の大事なところから経血という血が出てくるけど、病気じゃないので安心してね。みたいな。ざっくりしたものだったと思う。
この時にナプキンの存在を教えてもらった。
見本に見せてもらったナプキンは分厚くて、羽もないコットンの塊だった。一応シール部分はあった気がする。あまりに昔すぎて詳細までは思い出せないが。
そういうものがあるからねという話で終わった。
使い方は教えてもらわなかった気がする。
いざ、自分に生理が来た時に母親から使い方を教えてもらった。先生には教えてもらってないと思う。この辺は曖昧。
この話を聞いてからすぐに生理が始まったけど、最初はそれが生理だと分からなかった。
血が出る=赤い という思い込みがあったからだ。
血は乾くと茶色に変色する。小学生の私はそれを知らなかった。なので、薄茶色いものが下着についていてもそれが血であると分からなかった。
毎月にそんなことがあって、もしかしたら病気かもしれないと思って母親に相談した。
相談するまでなかなかに勇気がいったのを覚えている。
現物を見てもらうのが一番いいと思って下着を見せてみると、それが生理の血であると分かったのである。
私の場合はこんな感じで生理が始まった。