恋愛ものは好きだけど
自分には恋愛経験はないけども、恋愛ものは好きだ。
漫画や小説からドラマ、映画など、恋愛に関するものに嫌悪感など感じることはない。
読むものの傾向はファンタジーが多いが、映画などは現代ものでも見る。
と、書きはしたが、恋愛をメインテーマにした日本の映画やドラマは苦手だったりする。特に自分に近いところのものは一番苦手だ。
学生の頃に好きだったいわゆるトレンディドラマは大人の世界で、私からは遠い世界の話だったので好きで見ていたが、今現在はあまり好きではない。それはその大人の世界が今は私と近いからだと最近気が付いた。
ファンタジーつまり、架空のものとしてとらえる恋愛は好きだけど、自分の世界と近い話は苦手なのだ。
同じ日本の恋愛の話でも、例えば江戸時代とか明治大正とか、時代が違うものは普通に見ていられるのだが、現代に時代が移ったとたんになんとなく嫌になる。
でも、小説や漫画などは現代の話でも普通に読める。
違いは登場人物を三次元で視認できるかできないか。そこで嫌か嫌じゃないかが分かれている気がする。
つまり、無意識に主人公を自分に置き換えた時に、相手が具現化してそこに存在しているのを認識すると、なんとなく嫌になるのだと思う。
でも、なんとなく嫌なだけで、恋愛ができないとは思っていない。まだ。
周りが言うようにただ単にそういう相手に巡り合っていないだけなのかもしれないということも否定はできないからだ。
でも年をとればとるほど恋愛することはなくなってくるだろうから、おそらくこの先恋愛はしないだろうとも思う。
そんな私が「無性愛者」という言葉を知って、もしかしたら自分もそれに該当するのかもしれないと思ったのは「恋バナについていけない」というワードである。
恋バナになるといつも蚊帳の外だ。
ただ聞いているだけ。
みんなのいう恋の経験がないから。
なぜ経験がないのだろう?
出会いがなかったから? いや。一定数あったと思う。
ただ恋に発展するような出会いを見つけてない。のだと思う。
という感じで、「あれ?見つけてないんじゃなくて、もしかしたら拾えてないんじゃ?」と思ったことがきっかけ。
周りの女の子たちが熱狂する男性アイドルに対して恋愛的な発想をしたことがそもそもない。
外見のカッコいいとかセクシーだというのはわかるけど、それがどうして熱狂するに至るのかが全然わからない。
上半身裸の姿を見ても、「きゃー」と叫ぶ気持ちがわからない。
これは男兄弟がいるからなのかなとも思ってたけど、同じく男兄弟がいる人でもそうなるということは、兄弟云々は関係ないことがわかる。
そう、思春期にも男の子の裸を見ても特に恥ずかしいとは思わなかった。見てはいけないかなとは思ったけど。自分のことも見せてはいけないなとは思ったけど、だからと言って見られたからなんだという感じだった。
そもそも私は異性から恋愛的な視線がこないと思っている。
隣にいても異性としてみられないだろうなと漠然と思っている。
私に女性として魅力がないからというのもあるが、今までそういう感情も視線も向けられた経験がないと思うのだ。
しかし、それは私が思っているだけで、もしかしたら、それを拾えてないだけなのかもしれない。
それは私が異性に対してそう思っているから、異性も私に対してそう思っているだろうと思っているから、なのでは?
つまり「私が」異性を恋愛的な視線で見てないのか?
という感じで、もしかしたら私はこの「無性愛者」というものなのかもしれないと思ったのである。