自分の恋愛に関するものを振り返る4

二十代後半は仕事を辞め、短期間学生に戻っていた。

その時に同世代の男女が集まったので、お姉さま方の恋愛事情をよく聞かされた。

女性の方が少し多いくらいで独身がほとんどだった。既婚者やバツイチの人など、多岐に渡っていたため、恋愛をしたことのない私にはなかなか面白い話だった。

ただ、ここでも私は聞き役で、話に参加することはほとんどなかった。経験談は話せないけど、意見は言えた。それがなかなか的確だったらしく、なぜか恋愛相談を持ち掛けられることが多かった。

当事者としての意識がないから、かなり客観的に話ができるからだろうと思った。

 

この頃に、私は恋愛を客観視してるんだなと、漠然と感じていた。

目の前に異性がいても特別に何かを感じることもないし、目の前の恋愛事情はどこか二次元的で、それこそドラマを見ている視聴者みたいな意識だった。

なので、テレビの前でああだこうだ意見を言うみたいな、そんな感じで周りの話を聞いていた。

 

この時に仲良くなった人に恋愛経験はないと伝えたところ、女性が好きなの?と聞かれた。

私は自分を女性だと認識してるし、恋愛対象は男性だと思っている。

ただ経験がないからわからないだけ。

女性から好きだと言われたらどうする?と聞かれて、好きなことは否定しないと答えた。それに私が答えられるかは別だけど。

こう答えて、ふとそれは男性にも当てはまる。好きだと言われても否定はしないが、私が答えられるかはわからない。

 

このくらいの時に、どういう相手がいいのかと母に聞かれて、背が高くて顔がよくて優しくて気が利いて行動してくれる人がいい。といったら理想が高すぎなんだと言われた。

でも、恋愛経験もないのに、どういう相手がいいかなんてわかるわけがない。

目の前に現れた人がどういう人かという判断はできるけど、それが恋愛につながることはないし、そういう人だという認識があるだけだ。

 

どこを見て「この人が好き」だと思うんだろう。

いや。私にも普通に好き嫌いはある。

顔の作りだったり、言葉使いだったり、ちょっとした気の使いようだったり。

 

次に聞かれるのはたいてい、芸能人だったら誰がいい?というものだ。

芸能人をこの話題に持ってきても意味ないと思うのだが、理想の恋人に芸能人を当てはめる人が結構いる。

でもあれはテレビの中の話で、ここにいる人じゃないじゃん。と思うのはおかしいのだろうか。

それこそただの妄想というか、理想というか。現実ではない。

そんな架空の人物を例に出してどうするのか。結局私の理想と変わらないじゃないか。

 

でも、そんな架空の人物を好きになる人もいるのも事実だ。

現実味があるだけ、恋愛の対象になりすいのだろうか?

アイドルに熱狂する人の気持ちも正直わからない。

いや、カッコいいよ。それはわかる。ただ、ポスターを見てドキドキとか、CMのセリフにドキドキとか正直意味がわからない。

自分に向けられているという勘違い。勘違いが悪いとは言わない。ただ、私にはわからない感情だというだけだ。